●生活習慣病とは
高血圧,高脂血症,糖尿病などの以前は『成人病』と呼ばれていた病気が生活習慣によって引き起こされるものとして30年ほど前に厚生労働省が新たに提唱した疾患概念です.実際には生活習慣病は環境や遺伝の影響も大きく,『生活習慣が悪いから生活習慣病になる』と決め付けることはできませんが,生活習慣を改善することで病気を予防することができます.
●生活習慣をチェック!
1.毎朝,朝食を食べている
2.1日平均7-8時間は眠っている
3.栄養バランスを考えた食事を摂っている
4.タバコはすわない
5.日頃,身体を動かす習慣がある(スポーツなど)
6.飲酒量はほどほどである(日本酒なら2合未満,ビールなら大ビン2本未満)
7.労働時間は1日9時間以内
8.ストレスはあまり自覚していない
上記のうち該当する項目が7-8個なら良好,5-6個ならまあまあ,0-4個では生活習慣不良と言えます.
●食事のポイント
1日3食規則正しく,間食は控えて.
主食は適量,おかずは1-2皿.
動物性脂肪の摂り過ぎやカロリー過多に注意.
野菜は毎日摂りましょう.
油は控えめに.いため物,揚げ物,マヨネーズ,ドレッシング,バター,クリームなどはいずれも高カロリーです.
塩分摂取も控えましょう.汁物,漬物は意外なほど塩分を含んでいます.
果物は食物繊維とビタミンを含んでいます.毎日摂るようにしましょう.
乳製品は高カロリーなので摂り過ぎに注意しましょう.
●1日に必要なカロリーは?
まず身長から標準体重を計算しましょう.
身長(m)×身長(m)×22 = 標準体重(kg)です.
たとえば身長165cmの人なら,1.65×1.65×22 = 60kg となります.
さて,1日に必要なカロリーは年齢,性別,身長,活動量などによって変わりますが,成人の場合は【標準体重×25~30kcal】です.標準体重60kgの人なら1500~1800kcalとなります.減量が必要な人,活動量が少ない人,高齢者は少ない方の数字を目安にしましょう.
●メタボリックシンドローム
仮に自分の体重が標準体重以内であっても安心してはいけません.内臓脂肪が多い場合は要注意なのです.オヘソの高さでウエストを測定して,男性なら85cm以上,女性なら90cm以上あったら内臓型肥満の可能性があります.さらに①中性脂肪が150以上,善玉コレステロールが40未満,②血圧が130/85以上,③空腹時血糖が110以上,のうち2項目以上を満たす方はメタボリックシンドロームの診断基準に当てはまります.
メタボリックシンドロームを長期にわたり放置しておくと,肥満⇒インシュリン抵抗性⇒血圧・中性脂肪・血糖値異常⇒動脈硬化・糖尿病⇒心筋梗塞・脳卒中と進行しますので,十分注意しましょう!